1670年(寛文十)十月十七日 御城碁
本因坊道策
安井 算哲 先
244手まで 白九目勝
「初手天元」

大極星の発想から生まれた初手天元。初手天元そのものは少なくないが、理論的にも、実践的にも難しい布石である。春海の初手天元は天文学者としてのユニークな発案だった。

本局においても、天元の石が白に飲み込まれてしまった。天元に打った方よりも、打たれた側がより意識しているようにも思われる。

初手天元からまね碁を打つのを「太閤碁」と言う。まね碁は打たれるほうとしては心理的に嫌なものだが、シチョウアタリなどの対策も練られている。

結局、必勝法などというものはなく、個人の才覚と努力で局面を切り拓かなくてはならない。コミのないこの時代では、黒なら数目の勝、白なら一、二目の勝をよしとした。